聖女の遺骨求む/エリス・ピーターズ ~修道士カドフェルシリーズ1~
本国イギリスではテレビドラマにもなった人気の歴史ミステリーシリーズ第一巻。
舞台は、12世紀のイングランド。シュールズベリ大修道院の修道士たちは、教会の権威を高めるために、ウェールズの寒村の教会に残された聖女の遺骨を引き取りに向かった。ことを早く進めようとする修道士たちと、地元の聖女の遺骨を渡したくない村人たちは対立します。そんななか、反対派で地主のリシャートが殺害されて・・・。
舞台となっている12世紀は、源平合戦や戦国時代のように社会の変動期で、イギリスでも人気のある時代のようです。そんな時代に、修道士カドフェルは生きています。今でこそ修道士ですが、若い頃は十字軍に参加し、イスラム教徒と戦い、広い世界を見ながら、年老いて思うところがあって修道士になっています。そんな世間が広く、現実的な知恵と対応力のあるカドフェルが、正義感を感じて事件の謎を解き明かしていきます。
第一巻なので、少し時代背景等を理解するのに時間がかかりますが、ストーリーも変化があって面白く、大どんでん返しもあり、ワクワクしながら自然に読み進められます。ミステリーの面白さに引き込まれて、子どもの頃にワクワクしながらアルセーヌ・ルパンの物語を読んだのを思い出しました。
全20巻もあるので、しばらく楽しめそうです。一巻ごとに物語が完結しているのもいいですね。司馬遼太郎も藤沢周平も読んでしまったので、シリーズで読める面白い作家がいないなあと思っていたので、ありがたいです。仕事で疲れた頭をほぐすのにも最適なので、しばらく寝る前に楽しみたいと思います。(光文社文庫)
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