猿沢の池(奈良)
先日、奈良を訪れた際に、奈良公園の猿沢の池でのんびりしてきました。正面には興福寺の五重塔も見え、南都八景のひとつに数えられます。古代は庭園には大きな池が設けられたので、その意味もあったのでしょうが、人工池なので、もしかしたら興福寺の防火用水的な役割も担っていたのかもしれません。
奈良公園の端で市街地に隣接するので、いつも市民の方や旅行者など、くつろいでいる人がたくさんいます。学生時代から何度も訪れていますが、昔とても驚いたのは、ベトナムのハノイにあるホアンキエム湖とよく似ているところ。大学4年のときにベトナムを旅行したのですが、ハノイの中心部にホアンキエム湖という大きな池があり、市民の憩いの場になっていました。朝夕に多くの市民が出てきて、太極拳をしたり、座っておしゃべりをしたりしていて、すごくいい風景だったのですが、帰国して猿沢の池を訪れたときに、デジャブ(既視感)に襲われて、あまりにも風景が似ているので驚いたことがあります。日本もベトナム北部も伝統的に中国文化に大きく影響されているので、根っこの部分でつながっているのかもしれませんね。
近鉄奈良駅からも近く便利なところにあるのに、駅から一直線に東大寺や春日大社を目指すと通らずに往復してしまうので、興福寺の五重塔を見た後、近くの階段をおりて、猿沢の池でひと休みしてみてください。風にそよぐ柳を見ていると、少し古代の南都の風が吹いてきます。
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