大阪の中之島公会堂に行ってきました
先日、設計の仕事の関係の3D-CADのセミナーで大阪の中之島公会堂に行ってきました。中之島は水と緑が多い街中のオアシスのような場所ですが、そこに歴史様式の中之島公会堂は静かに建っています。
大正時代に建てられた建物ですが、免震構造による耐震改修も行われて、現役で様々なセミナーや講演会、展示会などに使われています。地下には展示室もあって、建った当時の大阪の地図もあります。当時は瓦屋根の街並みの中に忽然とレンガ造りの洋館が点在していたことが分かります。一番驚いたのは、建物が大阪商人個人の寄付でできていたところ。岩本栄之助という実業家が欧米視察団の際に見た欧米の寄付文化に感銘し、100万円を建設して寄付したそうです。その後、第一次世界大戦による相場の変動で損害を受けた栄之助は自殺し、完成式典には、栄之助の小さな娘が建物の鍵を寄付したという哀しいエピソードも。江戸時代の大阪の橋は、豪商が建設して寄付したものですし、大阪にはそういう財力と伝統があったのかもしれませんね。
歴史的な建物で受けるセミナーは落ち着いた雰囲気でよかったです。1階にはレストランもあり、一般の方も利用できます。ぜひ、一度訪れてみてください。
歴史的な建物はそれだけで価値があるんだなあと実感した今回の訪問。現代の建物も、古くなったから建て替えるばかりでなく、いいものは後世に残していくことをきちんんと考えないといけないと、改めて強く思いました。
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