MIMOCA(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)
香川県丸亀市駅前にあるMIMOCAは、同市出身の現代美術家である猪熊弦一郎氏のコレクションを中心に意欲的な企画展も行う現代美術館です。設計は谷口吉生氏。お父さんと猪熊さんが友人の縁で、子どもの頃からかわいがっていた吉生氏に設計を依頼したとのこと。そういった縁が重なって、丸亀駅前に地方の中小都市ではあり得ないような素敵な美術館が生まれました。
JR丸亀駅に下り立つと、世界的ランドスケープデザイナーのピーター・ウォーカー氏のデザインした駅前広場の向こうに、門型の美術館が見えます。そのまま大階段を上ると、猪熊氏制作のイエローのモニュメントとイサム・ノグチの彫刻がある広場があります。広場に面してカフェもあるので、アートを見た後にのんびりするにも最適です。
1階のエントランスを入ると、受付のあるエントランスホールにミュージアムショップ。猪熊さんは、以前の三越の包装紙をデザインするなどデザイナーの要素も強いので、マグカップなどのアイテムがとても充実しています。(ちなみに、三越の包装紙のロゴのデザインは、若かりし日のやなせたかし氏)
エントランスから吹き抜けに面した階段を上がると、常設で猪熊弦一郎氏の絵が展示されています。吹き抜け状の大空間には大きな油絵が飾られ、奥まった親密な展示室には、小ぶりの作品が。今回は、かわいい猫をテーマにした企画で展示されていました。
最上階の大きな企画展示室では、いつも意欲的な企画展が開かれています。今回はマルティーノ・ガンパーの「100日で100脚の椅子展」が開かれていました。
美術館の建物だけでなく展示も素晴らしい、数少ない地方都市の現代美術館だと思います。建築デザインも素晴らしく、ニューヨークのMOMAが増築をする際に、アメリカから理事のメンバーが見に来て、谷口さんをMOMAの設計コンペに招待するきっかけになったのも頷けます。コンペに勝って、MOMAの増築は谷口さんの設計なので、気に入った方はニューヨークも合わせて訪れてみてください。
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