エコハウス研究会夏合宿2016
先週の9月14日、15日に、エコハウス研究会の夏合宿に参加しました。エコハウスマイスターの取得者が年に1回集まって、勉強し直そうというもの。東京から九州まで、全国からの参加者が奈良に集いました。
初日は、東大寺の南大門に集合。南大門は、鎌倉時代の再建時の唯一の遺構で、大仏様という珍しい様式なのですが、丸谷先生が特徴を解説してくださいます。
続いて、大仏殿へ。こちらは江戸時代の再建です。もう、十分大きさのヒノキがなかったので、寄せ木造りなんですね。当初の大きさの2/3の縮小版でも大きいです。
続いて、丸谷先生のオススメで正倉院へ。東大寺は何度も行っていますが、正倉院を近くで見るのは初めてかも。すごくしっかりした造りで存在感があります。4階建てのビルくらいの大きさ。空調がなくても、昔の文物を今に伝えてきた知恵はすごいですね。
続いて、移動してならまちの中の今西家書院を見学です。室町時代の初期の書院造りを伝える重要文化財の建物です。当時は壁が固定のふすまで出来ていたとのこと。触ってみると、なるほど紙の手触りです。ふすまはもともと固定で動かなかったとは、知らなかったです。
見学の後は、お食事です。重要文化財の中でお昼が頂けます。関西らしい、上品な薄味のお料理です。少しずついろんな品が出てきますが、不思議と満腹になりました。今西家書院は、隣の造り酒屋さんの所有なので、そのまま造り酒屋さんで日本酒の試飲をしました。試飲といっても、おちょこになみなみと注がれるので、5杯飲んだらほろよい加減になりました。
続いて、今回のメインの見学先である奈良平野南部の今井町へ。室町時代から栄えた商人の町で環濠集落という、堀に囲まれた自治都市でした。戦国時代に、堀で囲んで自衛していたんですね。吉野の材木を一手に扱って「奈良の富の7割は今井にある」と言われるほど栄えました。金融業も行い、大名貸しもしていたので、現代に例えると「大手ゼネコン兼大手銀行」といったところでしょうか。
明治維新時に大名がなくなったので、貸していたお金が返ってこなくなり、交通や産業の急激な変化もあって急速に衰えたので、古い町並みが残っているんですね。これだけ江戸時代の町並みが残っている地域は他にありません。(大阪や京都など経済活動が盛んだとビルに建て替えられてしまいます)
地元の方にご案内いただいて、古い町家を見て回りました。とても大きく、当時の繁栄ぶりが偲ばれます。
見て回った後は、今日の宿へ。町家を改修した民宿を貸しきりです。
夜は食事の後、宿に戻って奈良で買ってきた日本酒で一杯。みんなで楽しく団らんしながら、丸谷先生にいろんなお話が聞けました。
翌日は、朝から丸谷先生の講義です。エコハウスについての勉強や、これからの方向性など、いろんな話が聞けて参考になりました。その後は、今井町の重要文化財の町家を見学。 7棟ほど見れたでしょうか。こんなに一度に重要文化財の町家を見るのは初めてです。古いものから新しい(江戸時代後期)ものまで、変化があって面白いです。
町並み探検のあとは、お昼です。古民家を改修したお店で、お弁当を頂きました。こちらのお店の方は近くの飛鳥から通ってこられているとか。奈良町にも少しづつお店ができていて、町家でフランス料理が食べられるお店もあります。古い町並みに惹かれて、集まってくるのでしょうか。
昼食の後で解散して、希望者だけで山寺へ。最初は長谷寺です。長い回廊を上ると、清水寺のような舞台のある大きな本堂へ。深い山並みが見渡せます。20代のとき以来、久しぶりに訪れました。 最後は室生寺へ。女人高野と呼ばれた山奥のお寺は、大きな杉の巨木に囲まれてひっそりと建っています。平安時代の本堂や五重塔もあり、とても静謐な空間なので、一度訪れてみてください。花の季節にはずごい人出ですが、9月の平日遅くだったので、ほぼ貸し切り状態でした。
近鉄電車の室生口大野駅で解散。翌日の吉野を訪れる人と自宅組に別れて、それぞれ移動したのでした。エコハウスマイスターも取りっぱなしでなく、継続して勉強できるので、ありがたいですね。次回は、年末の全国大会(名古屋)に参加したいと思います!
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