カレーライスに思う
先日、打ち合わせの帰りに岡山駅の近くのカレー店に久しぶりに立ち寄りました。そのお店のなすびカレーが美味しいので楽しみに寄ったのですが、食べてみて、以前ほど美味しいと感じないことに気がつきました。
こちらの体調も少しあったのかもしれませんが、しばらく考えて、そのお店のカレーの味は変わらないけど、周りのお店の味がレベルアップしているのかなと思いました。そうすると前ほど美味しく感じませんよね。
子どもの頃大好きだった洋菓子を大人になって食べてみると、以前ほど美味しく感じなかったケースと同じですね。そのお店のお菓子は昔と同じおいしさなのですが、周りがレベルアップすると普通になります。最近は、全国チェーンの飲食店が全然美味しく感じられないのも同じ理由です。地方で個人経営のカフェやお店がレベルアップしているんですね。
同じことは、建物の設計でも言えます。10年前は、設計事務所と住宅メーカーやゼネコンとのデザイン力には明らかに大きな差があって、設計事務所に依頼すると明らかにデザイン性に優れた建物ができたものですが、ここ10年でインターネットによる情報が伝わるからか、設計事務所と工務店やゼネコン、東京と地方のレベル差が明らかに小さくなりました。細かく見ると違いはありますが、以前のように「ランクが違う」と言えるほどの大差がなくなってきたように感じます。
そうすると、以前と同じ味、同じデザインでは、お客さんが減ってしまいます。今の時代のアベレージを見ながら、方向性と得意分野をきちんと考えて前に進んでいくことが大切になります。きちんと周りを見回しながら、前向きに挑戦していきたいですね。
「老舗(しにせ)とは常に新しいこと。変化する時代の波を超えて、営々と事業を営んできた古いお店を、我々は『老舗』と呼びます」。以前ある人に聞いた言葉が響いてきました。
注: 文章の中に出てくるカレー屋さんと写真は関係ありません。イメージです。
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