古い町家は涼しいです
先日、学生時代の友人を案内して倉敷を訪れた際に、重要文化財の大橋家を案内しました。倉敷市の美観地区周辺でも、ひときわ大きくて格式の高い町家です。国の重要文化財に指定され、公開されています。
この日は、うだるような暑さだったのですが、友人に指摘されて、町家の中は涼しいことに気づきました。
ご覧のように、とても開放的で風がよく通り抜ける造りになっています。ふすまを開けると、坪庭から表庭へ風が吹き抜けます。
坪庭には、緑が茂り、置かれた壺には水が張ってあり、気化熱で少しでも涼しい風が吹くよう、工夫されています。庇が大きく出て陰をつくり、涼しい風が吹くことで、夏でも涼しい家を実現しているんですね。
この日は風が弱く、あまり鳴っていませんでしたが、時折強い風が吹くと、風鈴が鳴り、涼しげな音が響きます。
表座敷には床の間に花が活けられ、落ち着いた佇まいが気持ちいいですね。
離れの書斎にも、壁に開けられた竹の格子窓を通して坪庭からの風が吹き抜けます。
書斎も庭に面して落ち着いた雰囲気で、こんなところでのんびり読書をしたり、ブログを書いても気持ちよさそうです。
エアコンのない昔は、冬よりも夏の方が過ごしにくかったので、住まいも夏を旨としてさまざまな工夫がなされ、涼しい家が実現していたんですね。現代の住宅は、エアコンに頼って工夫することを怠っているので、伝統的な住まいにもう一度学んだ方がいいかもしれませんね。
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