温度計と視力計
事務所の階段でふと目にとまった温度計と視力計。昔からずっと付いているので、何も思いませんでしたが、よく見ると面白い組み合わせだと思いませんか?
そういえば、どちらも最近あまり家で目にすることがないような気がします。40歳前後から上の方は、目にする機会も多かったかもしれませんが、若い人は不思議に思うかもしれません。
昔はどの家にも温度計があって、毎日眺めていた気がします。昔の家には、今のようにエアコンが全室付いていることもなく、石油ストーブとこたつがあるくらいで、あとは着る服の量で寒さをしのいでいました。それで、毎日温度計を見る必要があったのではないでしょうか。今は、エアコンの設定温度を見るくらいだから、ずいぶん違いますね。そういえば、ずいぶん前に霜焼けやあかぎれもなくなってしまいました。
それと、昔は視力の悪い人が今より少なくて、私が子どもの頃の昭和50年代には、子どもの視力の悪化が社会問題のようになっていた気がします。それで、お家の柱に視力計をつけて、目が悪くならないようにチェックしていたんですね。たぶん、いまほど受験勉強やオフィスワークをする人が昔は少なくて、視力が悪くならなかったのではないでしょうか。今は農業をする人も工場や現場で働くブルーカラーも少なくなって、室内で事務仕事をするホワイトカラーが多いので、目が悪くなりやすい環境なんですね。視力がいい人の方が少ないのが当たり前になって、全く問題にもならなくなってしまいました。
そう思うと、壁に付いている温度計と視力計も、当時の社会を表しているような気がしてきて、面白いなあと思いました。逆にいまの社会を表しているものは何でしょうか?今は当たり前でも、30年くらい経つと面白く見えてくることがあるかもしれません。
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