蔦谷書店(大阪駅ビル9F)で驚いたこと
今回は大阪レポート第三弾。大阪駅ビルのルクアイーレ9Fにある蔦谷書店を訪れてみました。ブックカフェが見たかったのですが、あまり個人的なスペースよりは、一般的なものの方が、今している設計の仕事の参考になるので、訪れてみました。
まず驚いたのは、とても人が多いこと。エスカレーターでどんどん人がやってきます。そして、本のディスプレイが工夫してあって、とても楽しそうな雰囲気づくりがしてあります。書棚のあいだに人が多くいて、すごく混んでいた20年前の本屋さんのようです。そういえば、最近の本屋さんはあまり混んでいないなあ。変化は少しずつなので気がつきませんでしたが、学生時代と比べて大きな変化が起こっています。昔は本がメディアの王様のひとつだったんですよね。昔はみんな情報を求めて、むさぼるように本や雑誌を読んだものです。
ぐるっと一回りして、気がついたのは、本以外のいろんなものを売っていること。アップルの製品を売っているコーナーや携帯電話のコーナーもあります。
高級オーディオのバング&オルフセン(B&O)のコーナーもあります。高級文具や万年筆のコーナーもあります。万年筆はガラスのディスプレイで展示され、ギャラリーのようになっていました。その他にも、化粧品コーナーやウエディング・旅行のコーナー、靴磨き専門店や貸し会議室など、いろいろなお店が併設されていることが分かります。
フロア案内図を見ると一目瞭然なので、こちらをご覧ください。http://www.lucua.jp/lucua1100/floorguide/floor_9.html
そして、いちばん大きな特徴は、カフェが併設されていて、本を読みながらゆっくり過ごせるところ。スターバックスをはじめ二つのカフェがあり、コーヒー片手にゆっくり本が読めます。
驚いたのは、レジを見ていると、本を買う人が少ないこと。こんな売り上げでお店が成り立つのか不思議に思っていたら、一緒に行った方の実家が本屋さんなので、こんな風に解説してくれました。本というのは利幅が少なくて、本屋さんの実入り(粗利)は値段の一割だそうです。1000円の本が1冊売れたら100円ですね。でも400円のスタバのコーヒーが売れたら、300円位は粗利になるのではないか。本で300円の粗利を得ようとすると3000円の売り上げが必要ですが、最近はそんなに本を買う人は少ないですよね。それだったら、本をネタに人を集めて、スタバのコーヒーをどんどん売れば、十分儲かるから、そういうビジネスモデルになっているのではないかとのこと。確かにコーヒーはどんどん売れています。他にもいろんなものを売っているのは、なるほどそういうことかと納得しました。
もうひとつ驚いたのは、ゆったり過ごせる1時間500円の有料席もあって、どのコーナーをみても満席のこと。おしゃれなスペースでゆったり過ごすのにコーヒーと合わせて千円近く払ってもいいという人がたくさんいるんですね(混んでいるので、そうゆったりでもないですが)。昔、ペットボトルのお茶やミネラルウォーターが発売になった頃、水やお茶は自分で入れるのでタダが当たり前の時代だったので驚いたことがありますが、同じような感じでしょうか。
本を売ることで稼ぐのではなく、本で人を集めて、コーヒーや有料席を中心に儲ける「本屋さん」なんですね。音楽性で売るのではなく、総選挙の投票権付きのCDや握手会などで儲ける最近のアイドルみたいだなあと妙に感心しました。 とはいっても、本の品揃えも豊富で面白いので、本好きの人も楽しく時間が過ごせます。梅田に出たときにちょっと立ち寄ってみるのにおすすめです。
蔦谷書店(梅田)の案内はこちら。
http://www.lucua.jp/lucua1100/shopguide/index.cgi?c=shop&pk=472
Write a Reply or Comment