東山魁夷せとうち美術館
先週末に、家族の用事もあり四国の香川県丸亀市に行ってきました。せっかく瀬戸大橋を渡るので、ついでに「東山魁夷せとうち美術館」を久しぶりに訪れました。東山魁夷画伯の祖父が香川県坂出市沖の櫃石島(ひついしじま)のご出身ということもあり、ご遺族から版画270点の寄付を受けて設立された美術館です。
設計はニューヨーク近代美術館(MOMA)の増築も手がけた谷口吉生。小さいながらも上品で、味わい深い美術館となっています。
美術館は坂出市番の州の埋め立て地の先端にあります。瀬戸大橋開通時に、四国側の瀬戸大橋博が開かれた跡地に立地。公共交通機関では、坂出駅からバス・タクシーで20分ですが、アクセスしにくいので、マイカーが一番便利です。<アクセスについてはこちらをクリック>
駐車場に車をとめて少し歩くと、アプローチの向こうに美術館の静かな佇まいが見えてきます。
エントランスを中に入ると、ミュージアムショップを兼ねた、コンパクトな受付とロビーが広がります。
展示室は、1階の吹き抜けのある展示室と2階の展示室になります。今回は東山魁夷の版画展が開催中でした。森林や自然の滝、海などのきれいな風景が画伯の目で切り取られて叙情的な印象を与えます。
季節ごとにテーマが変わり、企画展も開催されます。詳しくはこちらをご覧ください。<展覧会について>
展示を見終わって、階段を下りてくると、瀬戸内海を一望できるカフェスペースがあります。瀬戸大橋や沖を通る船が手に取るように見える絶景カフェとなっています。
この日は近くのお年寄りが集まって、談笑されていました。こういう使い方もあるんですね。家の近くにこんなカフェがあったらいいなあ。私はケーキセット、母はお抹茶とお菓子をいただきのんびりとくつろぐことができました。
生前は国民的画家だった東山魁夷も没後は少し展覧会が減っているように感じます。だからこそ、常設で展示が見られるこの美術館の価値が上がっているのかもしれません。少し不便なところにあるにもかかわらず、見に来られている方が多かったので、あらためて画伯の人気を感じました。現代の日本人が忘れがちな、自然の風景の情感や季節の移り変わりを思い出させてくれるので、おすすめです。
(東日本の方は<長野県信濃美術館 東山魁偉館>が常設展示です。設計は同じ谷口吉生)
東山魁夷のプロフィールを拝見していると、40代になって初めて風景画家として芽が出て、以後90歳をこえるまで活躍されます。昔の40代は、いまの50代に相当するのではないでしょうか。人生は長いから、まだまだこれから頑張らなくてはと、思いを新たにして少し勇気が湧いてきました。<東山魁夷のプロフィール>
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